Anthropicは、Claudeを使ったAI支援開発でマージ数が急増したため、Gitでは追いつかなくなり、独自のソース管理システム「Scion」をゼロから作り、5ヶ月でモノレポを完全移行した
・2026年5月:1日あたり約2,500マージ
・2026年9月:1日あたり30,000以上(約10倍)
これに伴いモノレポが肥大化し、メインブランチの履歴だけでほぼ100GB、CIだけで1日約2,500万回のチェックアウトに及ぶ
Gitは「オフラインで完結する分散型」を前提に設計されているが、Anthropicの主なクライアント(AIエージェントやCI)は常時オンラインのため、「エージェント規模・常時オンライン前提で設計したらどうなるか」という発想でScionを作った
GoogleのPiperやMetaのSaplingを参考にしつつ、Anthropicのワークロードに合わせて設計
主な考え方:
1. クライアントは常にオンライン
必要なデータをオンデマンドで取得。完全なローカルリポジトリは持たない。
2. クライアント・サーバーの非対称性
コミットやマージなどの重い処理はサーバー側で実行。クライアントはキャッシュだけを持つ。
3. 包括的なソース管理サービス
blameやdiffなどのクエリもAPI経由で提供。ローカルにリポジトリを置かなくても済む。
4. 水平スケーラビリティ
完全なリポジトリコピーをどこかに持たない。データは分散し、コンポーネントごとに独立してスケール。
5. 安価でインクリメンタルなロックフリーコミット
コミット・rebase・マージが変更の大きさに比例してスケール(リポジトリ全体のサイズに依存しない)。
6. オプションのスパースなワーキングコピー
そもそもチェックアウトを避けられる場合は避ける。必要なファイルだけを取得。
Scionは「大規模モノレポ+大量のAIエージェント」向けに特化したシステムで、一般的なGitの代替を目指したものではない。ただし、Git自体をよりエージェントフレンドリーにするための示唆(サーバー側スケーリング、RPC API、交渉プロトコルの改善など)は多く、GitHubやGitLab、OSSコミュニティと協力して進化させたい、というスタンス。
「AIがコードを大量に書く時代のソース管理は、人間中心のGitの延長では足りない」という問題意識から、常時オンライン・サーバー中心・インクリメンタルな新しいアーキテクチャを実際に作り、移行まで完了させた。
(Claudeの要約を調整)
anthropic.com/engineering/re…