証券会社、ファンド、国際機関勤務を経て現職。兼業投資家、CFA。米国相場やマーケットの考え方を整理。各種依頼等はDMまで。Noteでマクロ政治経済と各種相場を踏まえた市場分析を執筆 note.com/kokko_coco/membersh…

ウォーシュの会見は、個人的には、自分がこれまで見た中でも最悪の部類のものだった。FCIは引き締まっているが、十分には引き締まっていないと言い、成長も強いと言う。それなのに、なぜ利上げしないのかについては、結局よく分からない言葉を並べただけ。説明らしい説明ができていなかった。市場の反応も小さかった。GSのデスクは「FEDはほぼノンイベント」と評価した。ただし、今の状況において、ノンイベントだったことと、良いイベントだったことは全く別の話になる。今回のFOMCは、転換ではない。転換ではないからこそ、問題だった。前回のFOMCで実際に引き締めに移ったことこそが市場の転換点であった。その状況は、今回のFOMCを経て何ら変化していないことになる。 note.com/kokko_coco/n/n5b367…
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FOMC後に講演したFRB高官の発言は、タカ派寄りだった。ローガンは少なくともあと2回の0.25%利上げが必要とし、ムサレムは「追加の引き締めが必要で、それも早く」と述べた。比較的穏健なバーキンも、方向ははっきりしていて問題はペースだと言う。バーキンが挙げるのは需要で、AI投資の急増がサプライチェーンを圧迫していて、これは「需要側のインフレ」だとのこと。AIは、FRBにとってインフレの理由の一つになりつつあることになる。何にせよ、「転換」の様子は見えない。
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AAPL株は時間外で2%超の下落。結局昨日書いた通りで、やはりAppleもメモリ価格の上昇という逆風からは逃れられない。「設備投資をしていない」という一点のみで逃げ込む資金が入っていたが、決算が出てみれば、だからと言ってコスト上昇の影響を受けないというわけではない、という当たり前の方が明るみに出る。今回の決算シーズンは、FCFが中心的なテーマではあるが、それ以上に「混雑したポジション」がひたすら罰せられていくシーズンだろう。
今日はAAPLの決算がある。株価の観点から言えば、今年のMAG7の勝ち組は間違いなくAAPLだ。MAG7の大半がキャッシュフローにより罰せられた今、流動性を必要とする投資家が唯一「逃げられる」先がAAPL。しかし、これも本質的には危うさがある。周知のとおり、Appleもメモリ価格の上昇という逆風からは逃れられない。Intelの決算を悪化させたPC市場の低迷にも、メモリの供給不足が絡んでいた。設備投資をしていないことは、コスト上昇の影響を受けないことを意味しない。それが、流動性への渇望とポジショニングでここまで買い上げられた。リスクがどちら側にあるか。AI設備投資に資金を燃やしていないから安泰だ、と見切るのは、早計かもしれない。
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キオクシア。7月上旬に「投機フェーズでは、飛び乗ったら飛び降りる必要がある」ことを自分が書いたとき、厳しいお叱りの言葉を頂いた。その方のアカウントを見ると、8月から更新が止まっている。どうかご無事で、と祈らざるをえない。こういうのはいつも同じで、何かが投機フェーズに入ると、それを後付けする理屈が次から次へと出てくる。今はSNSがあるのでもっとタチがわるい。「今回は違うのだ、握っておけばいいのだ、押し目は買え」という煽りがエコーチェンバーのように鳴り響く。しかし、結局投機が終わったとき、責任を取らされるのは自分のポジションだけだ。SNSの誰かは、決して責任を取ってはくれない。そうして、人知れず退場していき、煽った人間は残り、教訓は忘れ去られ、また違う資産で同じことが起こる。
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以前、「AIは欲しいけど、データセンターは要らない」が米国人の総意になりつつあると書いた。BoAは中間選挙の最大の下振れリスクに、データセンターへの規制を挙げている。しかもそれは、主に州や地方のレベルで起きるとのこと。大統領の拒否権があれば、連邦レベルの法律はほとんど通らない。それでも、データセンターの立地を決める地方の政治は、選挙で直接動く。AI規制の本当の戦場は、ワシントンではなく地方であり、そこに大統領や政権が与えられる影響は限られている、ということになる。
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「心を折るような下落」のテックとは対照的に、S&P500均等加重平均は今日も堅調に推移した。金利低下や原油安の恩恵を素直に受けたような形にはなる。これがあるから、これほどテックや半導体が下落しても、SPXはある程度凪いでいられる。ボラが上昇し切らず、機械的なフローが雪崩式の下落を引き起こすこともない。しかし、凪いではいても、時価総額の大きいテックが下落すれば、やはり危うさは増してくる。ここまでは金利が助け舟を出してくれていた。今日は原油も助け舟を出した。助け舟が出ているうちに、テックは立ち直らなければいけない。
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今日のテックの下落の形は、かなりホルダーを落胆させるものだったのではないか。朝は原油安を追い風に買い戻しから始まったが、その上げを全部吐き出し、前日の安値も大きく割った。マクロの追い風があったにもかかわらず売りが勝つという、厳しい状況を示す1日で、引けにかけて買いがほとんど入っていなかったように見える。半導体を見れば、7月安値は最後の砦といった趣で、そこから下には壮大な空白地帯が広がっている。その手前で、反発の兆しが見えない大陰線を引けまで引いた。10月からの急激な下げの後での、この値動き。心が折れるような動きになりつつあるように見える。
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米国株に占めるテック・メディア・通信の比率は、ITバブルの水準を上回った。そして過去のテック株の下落局面では、コモディティが平均で+23.7%と非常によく機能していた。S&P500は平均−15%、米10年債は平均+4%。歴史的には、テック株のヘッジとして、コモディティは非常に貴重な役割を果たしてきたことになる。チャートはGSより。
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ヘッドラインのネットは指数ショートで小さく見えているだけで、AIロング自体はまだそれなりに残っている。AIの売りが続けば、HFにはまだ売るものがある、ということになる。それに加えて、決算を前にアップサイドをケアするためのコール買いが起こっていたことは、振り返りでも書いた通り。AIロングについては、「降参」という様相には見えず、隙あらばポジションを戻したいという形に見える。その中で、金曜の動き。GSのシェア・デスクが週末に報告しているが、週前半は主にロングオンリーからの半導体への需要で始まったが、金曜はほとんど抵抗のない激しい売りで終わってしまった。アセットマネージャーは週間で売り越しとなり、「週前半のテックへの需要を巻き戻し、それ以上を売った」。 note.com/kokko_coco/n/ne9797…
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決算への株価の反応は、平均で見ると例年より良い。予想を上回った企業の株価は発表の前後で+1.6%と、5年平均の+0.9%を上回っている。ただ、中身が極めて極端に割れている。テック以外では、予想を上回った銘柄は中央値で1.7%市場を上回ったが、テックでは逆に0.8%下回った。決算の良し悪しももちろんあるが、それと同じくらい「混雑しているポジションが罰せられた」決算シーズンになる。画像はGSより。
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今日はAAPLの決算がある。株価の観点から言えば、今年のMAG7の勝ち組は間違いなくAAPLだ。MAG7の大半がキャッシュフローにより罰せられた今、流動性を必要とする投資家が唯一「逃げられる」先がAAPL。しかし、これも本質的には危うさがある。周知のとおり、Appleもメモリ価格の上昇という逆風からは逃れられない。Intelの決算を悪化させたPC市場の低迷にも、メモリの供給不足が絡んでいた。設備投資をしていないことは、コスト上昇の影響を受けないことを意味しない。それが、流動性への渇望とポジショニングでここまで買い上げられた。リスクがどちら側にあるか。AI設備投資に資金を燃やしていないから安泰だ、と見切るのは、早計かもしれない。
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10月はみんなボロボロだ。AIトレードの壊滅により、HFの年初来成績もズタズタに切り裂かれた。特に酷いのは当然テックを主体にしたHFで、12%ものドローダウンをくらい、年初来リターンが5.1%にまで下落した。アジア主体のHFも10%近いドローダウンを被った。大量のPMがクビになったという話は耳に入ってくるが、それも真実味を増す。そして、ここからの問題は、これだけの損害を受けたとき、その後彼ら・彼女らがどういった制約を受けるか、ということになる。相場観は変わらなくとも、制約が増えれば身動きが取れなくなるのは、機関投資家の悲しいサガだ。画像はGSより。
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モルスタのマイクウィルソンはミッドサイクル調整は終盤に入りつつあると考えている。ただしSPXは、弱い市場ブレッドスへさらに収斂する可能性があり、半導体の弱さは11月半ばごろにサポートを見つけると予想するが、その前にさらに10~15%下落する可能性がある、との由。「調整終盤とは????」という感はあるが、とりあえず年末SPX8000ドルターゲットは維持との由。最大の短期リスク、かつ最終的な市場安値のカタリストになり得るのは、流動性とのこと。
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GSのは、AIの不安の波を3つに整理している。2月はAIによる混乱に伴うプライベート・クレジットの波、7月はハイパースケーラーの供給の波、そして今回は企業が上がった調達コストを負担できるかの波。市場は今、マクロからミクロへ、決算と起債の一つひとつで発行体を選別する段階に移っている由。そして、次の波は、設備投資のリターンが十分に大きく、十分に早く出るかという、需要とROIの側に向かう可能性が高いとのこと。まさに長い間議論されながら有耶無耶にされてきた、「本丸」とも言える論点。もし本当にこれが来るなら、その時の不安の波は、今までとは比較にならないだろう。
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AIモデルのエージェンシーが出てきた。自分にわからないのは、こうしたAIモデルが魅力的なのかどうかということだ。最近のTwitterでいえば、「それっぽい」返信をAIでつけているだろう、というのがかなりの数目に入る。個人的には、そうしたものは、見ていてうんざりするというのが正直なところだ。結果、何が起こるかというと、真面目に返信欄をチェックするのが馬鹿らしくなる。 大量の「それっぽい」情報が出回り、そしてそういった「それっぽい」情報のほとんどが空っぽだと知っているとき、人間は情報を見るのをやめるのではないか。AIによる「情報の爆発」は、「情報の無価値化」と表裏一体なのではないか、と思ってしまう。 一方で、「それっぽい」返信を返してくるアカウントがうまく収益化できているかといえば、そうも見えない。当たり前だ。「それっぽい」情報は今や価値がないのだから。空虚を爆増させ、情報の選別コストをあげ、しかし誰も儲からない。これは一体なんなのだろうか、とふと思うことがある。
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いわゆるローテーションが起きている。どのセクターを持っているかを細かく気にするなら、それは重要だ。ただ、本当に意味しているのは、人々が株式から退出して別のものを探しているわけではないということだ。率直に言えば、キャッシュ以外に特別よく機能しているものはない。金は今年キャッシュをアンダーパフォームしている。債券も今年キャッシュをアンダーパフォームしている。唯一うまくいっているのは株式だが、それですら「まあまあ」だ。S&Pは年初来10%上がっているが、それほど大きな数字ではない。だから逃げ場がない。ただ今のところ、この2週間ほどで株式から債券への資産再配分の始まりが見えている。つまり誰かが、自分にはかなり極端に見える成長期待を少し修正し始めているということだ。この2週間の市場の動きは、「もしかすると成長期待は少し高すぎるのではないか」と言っている。自分は、実際に成長が鈍化する条件は揃っていると思う。 note.com/kokko_coco/n/n3f805…
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キオクシアの動きは、自分が何度か見てきた「投機フェーズ」に入った資産の顛末を非常によくなぞっている。個人的経験では、こうした資産は、「ペンペン草も生えない」状態にならなければ、次の確かな上昇に向かっていくのが難しい。オプション等のフローの影響も全て掃け、押し目で買う人もいなくならなければ、「整理」されきらない。ボラティリティが消え去らなければいけない。そして、社会的には、長い時間をかけゆっくりと人々の記憶から消えていき、「もう誰も話題にすらしない」焼け野原のような状態になることが、「整理」の別表現となることが多い。 note.com/kokko_coco/n/naf610…
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来週出る指標?として注目を集めているのが、AnthoropicのARRだ。先日公開されたS-1では第2四半期に営業黒字に転じ、計算資源・インフラに1ドル使うごとに得られる売上は、1年前の0.57ドルから2.08ドルに上がっていた。少なくとも上期までについては、資本効率は及第点ということになる。しかし、売上について言えば、懸念の中心は7〜9月の成長鈍化と、乗り換えコストの低さにあって、今回のS-1はそこに答えをもたらしてはいない。そのため、10月のARRの方が情報としての鮮度、価値は高く、どうなるかが注目されている。
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FOMC後の債券市場の動きは同じでも、読み方は割れている。インフレ退治に「決まった期日はない」としたウォーシュの発言がハト派的に受け止められ、2年金利が下げたという意見もあれば、会見中に長期部分が上がった動きを、債券市場がウォーシュのインフレ退治を信用していない表れと読む意見もある。個人的意見で言えば、そういった僅かな動きにフォーカスした、重箱の隅をつつくような意見が、しかも割れてしか出てこない時点で、今回のFOMCのイベントとしての短期的価値は知れている、ということにはなる。
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